小官、総統閣下にとって、なんなのよっ！！　ねえ？　総統閣下にとって、小官はなんなの……単なる、部下なの？
ねぇ、教えてよ！！　総統閣下にとって、小官はなんなの！？　総統閣下、総統閣下の方から、小官に行動の自由を与えてくれたことないじゃないっ！！総統閣下の方から、小官を重点形成もさせてくれたことないじゃないっ！！
小官、総統閣下にいっぱい、アプローチしたのに……。それでも総統閣下は気付いてくれなくて……。後手からの一撃は、小官の精一杯の勇気だったんだよ……
なのに、総統閣下は答えを出してくれなかった……。小官、怖くなった。
もしかして、総統閣下は、小官のことなんて、どうでもいいと思ってるんじゃないかって。小官は、だから怖くなった。防勢への転換って一言を、総統閣下に言えなくなった。だって、拒絶されたら怖いもんっ！！
小官の気持ちは、1940年から変わってない。だけど、総統閣下の気持ちは、小官にはわからなかった。
小官は、総統閣下の昔の思い出しかもってない。だから、総統閣下との新しい思い出を作ろうって、小官、必死だった。小官も昔の小官じゃなくて、新しい自分に変わろうって必死だった。総統閣下の好きな女の子になりたいって思った
でも、どんなに頑張っても、総統閣下が小官をどう思っているのかわからなかった……。小官、こんなに総統閣下のことが好きなのに……
もしかしたら、小官のこの想いは、総統閣下にとって迷惑なものなのかもしれない。そんな風に、小官は考えるようになってきた。だから、やっぱり小官は総統閣下と友達でい続けようと思った
総統閣下にとって、小官ってなんなのか……。それを考えるだけで、怖かったから。友達なら、こんな想いをしなくてもすむと思ったから……
小官、このままでいいと思った……。小官、このままでもいいと思ったのに……
でも、お父さんが死んで、小官は本当に一人ぼっちになって……。そしたら、このままじゃ嫌だっていう気持ちが湧いてきて……っ
そして、やっぱり小官は、総統閣下のことが忘れられないんだって思ったの。思いが抑えられなくなってきちゃって……っ
だって総統閣下は、小官の初恋の人なんだもの……。ずっと、ずっと忠誠を尽くしてきた国家元首だったんだもの……

小官は……小官は……っ。総統閣下のこと、小官、子供の頃から大好きだった。だから子供の頃、総統閣下と別れるって聞いたとき、すっごく泣いたんだよ。すっごく泣いたんだから……っ
でも、総統閣下とは笑顔でお別れしたいと思って。好きだったから、総統閣下に小官の笑顔を覚えていて欲しかった。そして、いつかまた、総統閣下に会えるって思って……
だから小官は、総統閣下と別れるあの時、精一杯の勇気を振り絞ったんだよ。勝利を得るのだって約束したよね。小官にとっては、あれは精一杯の勇気だった
もしかしたら、総統閣下ともう会うことはないかもしれない。でも、小官はそうしても総統閣下が好きだった……。総統閣下との繋がりを消したくなかった……っ。だから、約束をしたんだよ。
あれは、総統閣下にとって、ささいな約束だったのかもしれないけど……。小官にとっては、とても大切な約束だったの……っ
たとえ離れても総統閣下との関係を、唯一、繋げてくれる約束だったから……っ。総統閣下があの約束を受け入れてくれた時、小官は本当に嬉しかった。だから笑顔で別れられたんだよ……っ
でも……。本当に長かった……。総統閣下との再会までの時間は、小官にとっては本当に長かった……。小官は、一生懸命に状況を報告し続けた。いつか、この現実が総統閣下のヴォルフスシャンツェに届くんじゃないか、って……
でも、年を経るにつれて、こんなことをしても、意味がないんじゃないかって思えてきた……。だって、こんな小さな状況の現実なんて、ロシアの大平原で、総統閣下のヴォルフスシャンツェにだけ届くなんてありえないもの……っ
それでも、小官はこの状況にすがるしかなかった……。あの約束にすがるしかなかった。小官にとっての、総統閣下との接点。それは、この状況と、あの約束しかなかったから……っ
そして、Ａ軍集団をロストフから撤退させた時……、ポポフ戦車集団を包囲殲滅した時……。小官の願いが、ようやく届いた……
ベルリンで……。総統閣下が立っていた……。総統閣下は最初、小官のことがわからなかったみたいだけど……
小官には、すぐにわかった。心臓が張り裂けそうだった。心が……飛び出しそうだった。
そして、これが最後のチャンスなんだって思った。国防軍の将兵がくれた、最後のチャンスなんだって。小官の気持ちを総統閣下に伝える、国防軍の将兵からの最後のチャンスなんだ、って……っ

だけど、総統閣下は、昔と一緒で、小官の想いには全く気付いてくれなかった。だから小官は、総統閣下に行動で知らせようと思った。小官の想いを……
でも総統閣下にとって、小官はいつまでも、昔の煙たい軍部の一員のままだった。小官にとっては、精一杯の勇気だったのに……。総統閣下は小官のそんな心に、気付いてくれなかった……っ
だから、小官は怖くなったの……。もしかしたら、小官のことを、総統閣下はなんとも思ってないんじゃないか……。だから、最後の賭けだった……っ
浜辺でのキス……。でも総統閣下はやっぱり、何も小官に、示してくれなかった……
小官、本当に怖くなって……。総統閣下の気持ちが、わからなくなって。だからこのまま、煙たい軍部の一員の関係でいいと思った……
でも、お父さんが死んじゃって……
……小官にだって、わかってた。総統閣下が、1940年とは違うってこと。
でも、小官には1940年の総統閣下の思い出しかなかったんだもんっ。ヒンデンブルクとルーデンドルフみたいに、1940年から今まで、ずっと一緒にいられたわけじゃなかったんだもんっ
総統閣下との空白との時間……。それを取り戻そうと、小官は必死だったんだよっ
そして、小官も変わろうと必死だった。過去の小官じゃなく、あたらしい小官になろうと必死だった
そうすれば、総統閣下は小官に振り向いてくれるんじゃないか……。煙たい軍部の一員の小官じゃなくて、新しい小官なら。総統閣下は振り向いてくれるんじゃないか、って思ったの……っ
だから、戦略方針だって変えたんだよっ。小官も、変わろうって……っ。昔の小官じゃなくて、新しい自分に変わろうって。
だけど、それでも総統閣下は小官を見てくれなかった……っ。総統閣下は最後まで、小官を見てくれなかった……っ
攻勢防御でいいんだ、はっきり言ってよ……っ！！　小官にパンテルを見せないでよっ！！　今、ここで、小官のことが東部戦線最高司令官としてふさわしいかどうか、答えてよぉ……っ
そうしないと小官、総統閣下のこと、いつまでもスターリンの手先だと思っちゃうじゃない……っ！！　苦しいんだから……っ！！　スターリンの手先だと思っているのは、とっても苦しいんだから……！！