「ギレンの野望・攻略指令書」の中でも、ジオン最高難度シナリオとの評判が高い、「公国の落日」のリプレイである。
ソロモン防衛
まずソロモンだが、攻略本のおすすめ通り、敵のパブリクをつぶしてこちらのビグ・ザムの火力を発揮し、味方のジッコを活用して敵のスナイパーIIを抑える、という戦術を採用。
まずザクＦを拠点外に出して、ブラウ・ブロやスキウレと共同でパブリクをつぶす。同時に要塞前面にスクリーンを張って、敵が一気に突入してくるのを防ぐ。
なかなかザクＦは優秀で、パブリクを首尾よく殲滅。敵の侵入もわずかであった。
しかしそのわずかがスナイパーIIである。まともに戦ってはあっという間に消耗してしまう。味方の全てに攪乱膜を張るだけのジッコはない。ガトーのリックドム隊とシムスのＲ１Ａに優先して攪乱膜を張るが、おかげでそれ以外のザク隊はぼろぼろである。
それでもドズルのビグ・ザムはよく働いてくれた。また、侵入防止策もうまくいき、敵の艦艇は侵入せずに拠点を迂回するような行動に出たため、局地戦マップでは次第に防戦の目途が立ってきた。
そこへ、本土からかき集めたリックドムの部隊がソロモンに到達する。連邦軍はもろくも崩壊し、ソロモン防衛戦はジオンの勝利のうちに終結した。
なお、サイド５方面から接近してきていたホワイトベース隊は、ドレン隊を殲滅するもののソロモンには間に合わず。アムロガンダムはマゼランに着艦したところでマゼランごと宇宙の塵に。
キリマンジャロ防衛
こちらは幾分楽だった。
こちらでもザクタンクとザクキャノンでＺＯＣ幕を張って敵の侵入を阻止し、最初に入ってきたＧＭコマンドの部隊をロンメルとビッターで撃滅。
その間に東南アジアからギニアス隊を呼び寄せ、外にいたＧＭをアイナのアッザムで焼き払って防衛戦は終了。１ターンに生産したグフＢの部隊で残存部隊を掃討して、アフリカは全域ジオンの支配下に戻った。
はるかかなたの大西洋にいるサイクロプス隊も、地球を一周してアフリカに呼び寄せる。大西洋がつながっていればもっと楽なのに。
地球上空の危機
宇宙軍はリックドム隊をルナ２方面艦隊、ザクＲ系を地球軌道艦隊に編入してそれぞれの方面に派遣する。モビルアーマーはビグ・ザムとエルメスを残してあとは資源に換えてしまう。
しかし、ＨＬＶ相手だからザクＲで十分だろうと思っていた地球軌道方面が大誤算であった。いきなりペガサスは２隻打ち上げられるわ、ルナ２方面からセイラのガンダムが突出してくるわで、しかも敵はスナイパーII標準装備だから、ザクは次々と撃墜されて戦線は崩壊の危機に瀕した。
おまけにルナ２方面から急遽引き抜いて地球上空に送ったグワジンが、搭載したリックドムごと一撃撃沈されるという惨状。
一時地球軌道は搭載機なしのグワジンとザンジバルのみで支えるという苦境に立った。
なんとか残存ザクをソロモンに戻して資源に換え、ゲルググＳを生産して指揮官に配り、そのまま指揮官のみで防戦に当たらせる。
幸いペガサスだけは早めに撃沈しておいたので、敵ＭＳが地球に降りて暴れ回るという最悪の事態だけは防ぐことができた。母艦をつぶしたのでＭＳも次第に燃料切れとなり、ゲルググＳの奮戦で何とか全機仕留めることができた。
それとほぼ同時にゲルググＡがロールアウトしたので、地球軌道艦隊ＭＳ隊はゲルググを装備することにする。資源コストがかかるので少しずつしか装備できないが、次第に数をそろえ、地球上空の守りは堅固なものとなった。
一方、ルナ２の敵を吸引しようと前進したルナ２方面艦隊は、初めのころに進出してきたスナイパーIIの部隊を撃破した後は暇続き。レビルとティアンムがちょっと出てきたので、エルメスの援護下にデミトリーに食わせてレベルＢまで経験を上げる。これでデミトリーは射撃が８になったので、ゲルググから下ろし、ア・バオア・クー守備隊のビグ・ザムに乗せかえる。
この時点で、ルナ２方面艦隊の指揮官はドズル、マツナガ、ライデン、ララァ。地球軌道艦隊の指揮官はデラーズ、トクワン、ケリィ、シムスで、ララァと専用機のライデンを除くと全員ゲルググＳに乗せている。
地上軍の進撃
地上の敵もスナイパーIIと陸戦ガンダムで、当初戦力のデザートザクと１ターン生産のグフＢでかなう敵ではないので、デザートザクは全機資源に換えてドワッジと指揮官用のドワッジＨ，ゲルググＳを生産する。
また、思いがけなく諜報部がガンダムの設計図を奪ってきたのでこれを開発し、シャリア・ブルに与える。
宇宙軍のゲルググ生産を優先したので、それほどドワッジを作ってもいられない。敵拠点の兵力はそれほど多いわけではないので、シャアゲルググ・シャリアのガンダム・ニムバスのギャンは列機を連れずに３機でスタックを組んで戦わせることにする。
ドワッジを連れていてもスナイパーII相手の戦闘はやはりつらい。オデッサ攻略の主力から離れて補給線切断任務についていたガトーも、列機の大半を撃破されてやっとスナイパーIIのスタックを退治するという状況である。
ニムバスもその格闘戦力を遺憾なく発揮してよく働くのだが、いつもスナイパーIIの猛射を受けて体力残りわずか、という戦闘を続けている。
地上軍主力は、ビッター・ノリス・ロンメル・シーマ・マクベに適宜ドワッジを率いさせ、シャア（専用機）・シャリア（ガンダム）・ニムバス（ギャン）・クスコ（ＢＤ２）を単機編成で運用する。それに加えてサイクロプス隊の水中部隊、アイナのアッザムが支援を行う。
しかし降下部隊への守りやベルファストの敵への抑えが必要なので、なかなかフル編成とは行かず、主力部隊は15ユニットがせいぜい、さらに各所の守りに指揮官が張り付くという布陣になった。
地上軍主力はオデッサ→マドラス→北京→トリントン→ハワイと攻略し、一応順調ではあるが、北京のまわりにはハワイ・アメリカ方面から続々とペガサスだのガンダムだのが寄って来てうるさいことこの上ない。おかげでサイクロプス隊とガトー（一度も主力と合流したことがない）はアジアに釘付けで、拠点攻略に使えないのが困ったところである。
血戦キャルフォルニア
キャルフォルニア基地には21ユニット、それに加えてアメリカ西海岸にはその他の敵影も多数見られる。内容はわからないが……。
そこへわが軍はＭＳ隊18ユニット＋単機編成６ユニットで突入する。
しかしここで思わぬ惨事が！
不用意に海岸に接近したザンジバルが、セイラのコアブースターと海岸からのスナイパーIIの猛射を受けて一撃撃墜されてしまったのである！ 搭載していたのは、なんとシャリアのガンダム、クスコのＢＤ２、シャアゲルググ、ニムバスのギャン、ビッターとシーマのドワッジＨ！
有力な指揮官と高性能機をごっそり失ったわが軍は大混乱に陥る。しかも敵はスナイパーII多数とアムロのガンダム、ゼロのＢＤ２を含む強敵である。戦闘は互いに戦力をすりつぶしあう死闘となった。
スナイパーIIの火力の前に、わが軍のドワッジやゲルググはバタバタと打ち倒されていく。潜水艦は１機編成になってこらえた部隊が避難し、まるで病院船である。
少しでも敵を削るべく、スナイパーIIの対空火力を冒してリーダー攻撃を仕掛けたアイナのアッザムも、相打ちになって撃墜される。
しかし、ロンメル・マクベ・ノリスの指揮官機だけになってしまったわが上陸軍は、満身創痍になりながら、敵を本拠地の１スタックのみに押し込めることに成功した。
そこへ、アジアから急遽来援したガトーが、ついで再編成した被撃墜組が到着し、本拠地のガンダムと周辺から来たＧＭを始末して、やっとのことでキャルフォルニアを占領することに成功したのであった。
地球制圧
クスコのＢＤ２だけは二度と手に入らないので、クスコにはイフリート改を与える。
また、キャルフォルニア戦の途中で100ターンとなったので、サイクロプス隊をアレックス奪取に向かわせ、みごと奪取に成功する。奪ったアレックスにはシャリアを乗せ、ガンダムはシーマに与える。
その間に主力はニューヤークへ向かい、これを軽微な損害で奪取。また、ノリスとロンメル、アイナで中米支隊を編成して南下を図る。こちらも敵は素ＧＭが主だったので、リーダーで焼き払ってボゴタまで進出。
西海岸に残っていた有力な敵も、ニューヤークから取って返した主力と、キャルフォルニアで順次生産したゲルググで殲滅。
さあ、これでベルファストへ向かえる。
ベルファストの敵は、数だけは多かったが大半が素ＧＭで、ゲルググＡ×14ユニットで正面装備をそろえたわが軍の敵ではなかった。がしがし撃破して２戦略ターンで攻略する。中米軍に配属したアイナのアッザムがいればもっと楽に掃討できたかもしれないな。
宇宙制圧
ベルファストを制圧すると、連邦軍は魔法を使ってア・バオア・クーに攻め寄せてくる。
しかしア・バオア・クーには、デミトリーのビグ・ザムとバーニィのゲルググＳにリックドム４ユニットを置いてある。守備戦力としては十分すぎるほどだ。ハゲ親父とレビルを蒸発させて、残った連邦のカスを退治する。サラミスなどはビグ・ザムの一撃で吹き飛ぶ。乗っているデミトリーが「それにしちゃあ、弱すぎる」と言うのに同感してしまう。
防衛戦と平行して、ルナ２攻略準備を進める。ズゴックＥ、ギャン、イフリート、ガトーのゲルググを残して地上部隊を宇宙に打ち上げ、軌道艦隊からも戦力の半分ほどを攻略部隊に編入。
２戦略ターンでア・バオア・クーの敵は消滅した。防衛部隊のリックドムとビグ・ザムをソロモンに輸送し、ギレン座乗のドロスに乗せてルナ２へ向かう。
総勢ＭＳ41ユニット＋ガトーの核ザク、ＭＡ２ユニット、艦艇８ユニットの大軍勢である。地上からの打ち上げ組を右から、ソロモン方面からの組を左からルナ２に突入させる。
敵は24ユニット、数的優勢は明らかである。しかも敵の中にスナイパーIIは少なく、素ＧＭも多い陣容で、ゲルググとリックドムからなるわが軍の敵ではない。スナイパーIIとコマンドＧＳがいるスタックを優先して核とビグ・ザムで掃射していくと、敵はもろくも崩れた。中にはガンダム数機がいたものの、集中砲火で叩き落とし、５ラウンドでルナ２を占領した。
占領後はリックドムとグワジンで軌道艦隊を再編し、ゲルググは全てザンジバルに乗せてジャブロー降下軍に編入する。さあ、最終決戦だ！
最終戦
ルナ２戦に先立って、ジャブロー以外の南米の拠点はリマも含めて制圧してしまう。また、ジャブローで使えないアッザムからアイナを下ろしてドワッジＨに乗せ換える。モビルアーマーパイロットを集めたアイナ・デミトリー・ララァの砲撃支援スタックを作ろうというわけである。
ドワッジ隊を南から、ゲルググ隊を北から突入させるべく、ザンジバルを配置する。
準備万端整ったところで、コロニーを落とし、次のターンに攻略作戦発動！
敵戦力は28ユニット、対して味方戦力はＭＳだけで51ユニット！ 敵の陣容は薄く、フルアーマーガンダム２機を除くと大した敵はいない。
シャリアのアレックスを先頭に突入する北部隊と、ノリスのドワッジを先頭に、ドワッジＨの火力支援スタックを従えて突入する南部隊。それに加えて東から侵入したミーシャのズゴックＥ部隊。敵の必死の抵抗を打ち破りつつ、本陣を目指す。
シャリアのアレックスが、本陣目前でフルアーマーガンダムとスナイパーIIのスタックに遭遇する。一気に粉砕すべく、ニムバスのギャンを前衛にして攻撃する。しかしここは連邦軍最後の奮戦が実を結んだ。
「直撃だと！私が直撃を受けただと！」
スナイパーIIのビームを受けてギャンは爆発。これが結局は連邦軍唯一の戦果であった。スナイパーIIはシャリアが始末し、最後に本陣に残っていたのは名無しのガンキャノン。これを撃墜して、公国軍はジャブローを制圧！ 一時は地球から叩き出される寸前まで追い詰められていた公国軍は、ついに大逆転勝利をつかんだのであった。
このゲームの特徴として、最終局面では敵の生産力が落ちているので、最後の敵が強くないということがある。そのため、戦略的優勢が固まってからは楽勝が続いていささか退屈になるという、欠点ともいえる点がある（特に連邦軍プレイ）。
今回もニューヤーク以降はそのきらいがあったが、それでもキャルフォルニアまでは非常にスリリングなゲーム展開を見せてくれたのは、このシナリオのよいバランスを示していると思う。
スナイパーIIは敵にあってこそ映えるユニットだということだろうか。