外道ヤマト愚連隊2199
(「お帰りなさい森船務長」を二度やる2199のシナリオはまぬけなので、細部はともかく雪はデスラーに捕らえられたままです。第二バレラスはノランががんばってどうにかしてくれたのでしょう)
「よし、新見君、次の手だ。ガミロイドを経由して敵艦のコントロールを奪うぞ。まずはガミロイドの指揮装置からだ」
「はい、先生！ …敵がガミロイドを艦内に送り込んでくれたおかげで、システムへの侵入が簡単になりましたね」
「そうだな、新見君。もしこれが人間の兵士だったら、ここまでうまくはいかなかった」
「つながりました！ 攻勢プログラムを展開します」
「加藤！ 今、真田副長がガミロイド兵を寝返らせようとしている。それが成功したら、一気に形勢逆転だ。敵艦に逆乗り込みをかけるぞ！」
「了解、戦術長！ へへっ、機械人形に頼るまでもねえ。ヤマトにゃ千人近く乗ってるんだ。一個連隊だぜ。本気を出しゃ、ガミ公に負けっこねえ。おい、機銃をもう一丁引っ張って来い」
「星名！ いいところへ来た。今から… そいつは！」
「ガミラスの高官様ですよ。ちょっと道案内を頼もうと思いましてね。それに、ガミロイド兵は彼女の言うことなら何でも聞くんです」
「大丈夫なのか？」
「うふふ、人を動かすには頼み方ってのがありましてね。そうでしょ、セレステラ長官閣下？」
「……」
「島、敵艦にロケットアンカーを打ち込め。狙い目はこちらに向いた噴射ノズルだ。ここと…ここに打ち込めば安定するはずだ」
「了解、逃がしませんよ」
「先生、ガミロイドの指揮権をほぼ掌握しました。残ったものも行動不能にしてあります」
「よーし、ガミロイド兵の半数を古代たち斬り込み隊の援護に回せ。残りは甲板に上げて敵のこれ以上の侵入を防がせろ。
太田、航海科から斬り込み隊の第二陣を編成して古代隊に続け。目標は敵指揮中枢だ。追って敵艦内のスキャンデータを送る」
「了解、太田は斬り込み隊第二陣を編成して敵指揮中枢を攻撃します！」
「山崎さん、そちらは無事ですか。艦内の戦闘はもうすぐ終わります。そうしたら、機関科から要員を抽出して斬り込み隊第三陣を編成してください。
目標は敵艦の機関室です。ガミラス製の波動コアをはずして持ち帰っていただきたい。技術科の桐生君を助手につけます。波動コアを手に入れたら、エンジンのリミッターを最大強度に固定して戻って来てください。
敵にはおそらく波動砲がある。それを使わせるわけにはいきません。頼みます」
「副長、敵艦内通信網ノはっきんぐニ成功シマシタ」
「でかしたぞ、アナライザー。敵艦内の隅々まで聞こえるように鳴らしてやれ」
「ドウゾ。自動翻訳装置ヲ通シテ放送ガ可能デス」
「……ガミラス艦内の数少ない生存者諸君。われわれは宇宙戦艦ヤマトだ。
まず、艦のコントロールができないことで、諸君には多大な不自由を強いていることをおわびしたいと思う。多少なりともこの状況を改善したいと思うのなら、われわれとの友好の証に、この艦の中枢部と指揮官へ向かうわれわれの妨害をやめてくれたまえ。
もし万一、つまらない忠誠心などを重んじてひとつしかない命を粗末にするような愚か者がいたとしたら、われわれは不本意ながら艦の空調設備に調整を加えざるを得ないだろう。
亜空間の真空は通常宇宙の真空と人体に与える影響がどう違うか、貴重な実験データを提供したくなかったら、われわれのささやかな要求に従うことだ。諸君の理性に期待する。以上。
……ああ、ひとこと付け加えるのを忘れていたよ。艦内の宇宙服ロッカーのキーは君たちの認証では開閉できないようになっている。宇宙服を畳んでロッカーにしまいたいと望むなら、われわれの許可を得てくれたまえ」
「総統！ もう、もうおやめください、野蛮人とまじめに付き合って命を落とすことなどありません！！」
「セレステラか…」
「手を上げろデスラー、それが地球では降参の合図だ」
「貴様は……？」
「国連宇宙軍一等宙尉、古代進、地球人だ」
「何が望みだ」
「簡単なことだ。雪を返してもらおう。ちなみに本物のユリーシャ殿下は今ごろガミラスにいるだろうな」
「それだけでいいのか？」
「自分の立場がわかっていないようだな、元総統閣下。今お前のできることといったら、雪を返しておとなしく引き下がることくらいなんだよ。ガミラスとの交渉なら、お前とじゃなくて現在の正統政府とやらせてもらう。わかったらとっとと雪を渡せ。かわりにこの女はお前に返してやる」
「……わかった。――姫君を出して差し上げろ」
「はっ」
で、デスラーは古代に駆け寄る雪を撃とうとして、セレステラがかばうが二人とも撃たれてしまう。加藤がデスラーを撃ってデスラー昏倒、古代は重傷の雪を連れてヤマトへ帰還。
「古代、どうした！ なに、森君が！ そうか、わかった。
……山崎さん、聞こえますか。リミッターの細工はどうなっています？ そうですか、それはよかった。先ほどの指示を一部訂正します。
まず、リミッターを全開放してください。それから、出力弁を推進器方向、波動砲方向ともに全閉鎖にしてください。最後に、流入弁を最大出力の位置で固定してください。そうです。出口なしの状態で最大回転にさせるんです。それが済んだら、急いで帰ってきてください」
「戻ったか、古代！細かいことはあとだ。敵艦のメインエンジンを暴走させた。ワープゲートの様子もおかしい。急いで逃げるぞ。
島、ロケットアンカー収納。急速転回、全速でコリドーから脱出しろ。
南部、後部ミサイル斉射、当てなくてもいい、追ってこさせるな。総員に告ぐ、衝撃に備えよ」
「副長、敵艦が！」
「どうした？」
「敵艦が、消滅しました！」
「何……波動エンジンの過負荷状態が亜空間の真空と反応して、ブラックホールのような亜空間の「穴」を形成したのか…」
「それじゃ、敵艦は？」
「通常空間に吸い出された可能性が高い。どこの空間かは私にもわからん」
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