旧世紀を知っている方々の中にはご存知の方もいるであろう、伝説のおばかソフトがあります。その名も「難解バカボン」。
このソフトは、いかにも難解な学術的論述や契約文言のように見えて、実は意味不明なでたらめな文を生成する、テキストジェネレーターの一種です。
どんな文が生成されるかというと：
人間は本質的なるものからの脱却を試みる以上、それらの中では一方において空想的社会主義と癒着するという事だろう。瞬く間にイデオロギーすら過誤であり辛苦である事だからその無力化だけがこうしてエクリチュールから分離するしスターリン主義言語学は演技するとも考えられる。自己充足性はおそらく驚愕に値するなどつまり革命家は没意味的な文献実証主義に陥るし根源性が魔術から解放されるべきでありタクシノミー的に規格化が先行する社会の組成を通じて物々しいので文の機能を確定する場合も有り得る。法の概念はそれを語る事ができないものの組織化されてアウラ的な力を有するとは言えず幸福と暴力の結合を加速する。他方で自然でさえ解放されるかの如く理性批判の方策を提供するらしいが、したがっていかにも失意と絶望にまみれて死ぬ。境界はこのように存在しないせずそれら相互の関係において神秘化されるとしてもマルクス教条主義は再生産されるのであっても生産活動のために恐ろしいのではない。まさに聖なるものも倫理的合理化とされるのは明白だ。微分的に近代的思惟が無駄なものに見える顕在的にパラドクスであり社会的規範は暴力から離脱しないとは言えない。
こういう文章ですが、辞書ファイルを差し替えることで他のジャンルのでたらめ文も生成することができます。
もともとは1994年にＭＳ−ＤＯＳ用に作られたもので、ＯＳの進歩により普通のＰＣでは動かなくなっていたのですが、このほど2020年４月に、新たにWindows10対応でよみがえっていました。
このソフトのファンだった私としては実にありがたい限りです。
ダウンロードサイトのリンクはこちらです（Vector）。ぜひ皆さんもダウンロードして、難解なことばの海へダイブしてみてはいかがでしょうか。
付録として、私が作った辞書ファイル３点をアップロードしておきます。中身は難解バカボン用のテキスト辞書ファイルで、「難解バカボン」のフォルダ内の dictionary サブフォルダ内に入れれば利用できます。
ジャンルは、「ヨブ・トリューニヒトの演説リファイン版」 「世界の艦船日本艦」 「世界の艦船イギリス艦」の３つです。
注意が必要なのは、辞書ファイルの冒頭にある設定条件がそのままでは反映されないことです。「難解バカボン」の「設定」メニュー内で条件を手動で入れ直す必要があります。
旧版の「難解バカボン」ダウンロードサイトには他にもいくつかの辞書へのリンクがありますので参照してください。辞書ファイルのフォーマットは新旧で変わりません。
他にも「難解バカボン」をリファインしてくれている人はいて、このサイトではウェブ上で動作する「難解バカボン」を公開してくれています。いくつか辞書も追加してあります。