ジオン　火力・生残性再検証/シーマ・アッザム

最強ズゴックＥに匹敵する火力！ＭＳとは桁違いの生残性！当然圧倒的なキルレシオ！生産コストが高いといってもこの性能の前ではコストパフォーマンスでも最強ＭＳズゴックＥを圧倒する！特筆すべきはアッザムリーダーの火力。シーマ様級のパイロットが乗れば発動率８０％で、どんなＭＳにも命中率１００％！ダメージ量がどんなＭＳ相手でも落ちなくなるため、結果的に、パイロット無しの場合に比べ、コマンドＧやスナイパー２へのダメージ上昇が特に著しい。但し相対的にスナイパー系ＭＳが苦手というのは変わらないので、スナイパー系ＭＳに対しては、エースが乗ってやっとズゴックＥ並みのコストパフォーマンスとも言えますが。

この数値だけでは、具体的イメージが湧かないかもしれないので、ズゴックＥとシーマ様ご搭乗のアッザムの性能を、文章に直してして比較してみます。ジム３個小隊（９機）を相手取った場合を例にすれば、

シーマ様の高笑いが聞こえてくるような、とんでもない数字です。平均上昇率は３．７１倍！！恐るべき性能向上です。

エースの力ってそんなにすごいの？というわけで、続いて、ＭＳにもシーマ様を乗せてエースパイロットの影響というものを見ます。比較するのは最適化されたグフ中隊同士、すなわち、

指揮官なし　前衛：グフＢ　３機／中衛：グフＡ　３機／後衛グフＡ　３機　　　　　　と、

エース付き　前衛：グフＢ　３機／中衛：グフＡ　シーマ様搭乗／後衛グフＡ　３機　　

とします。尚、このエース付きモデル中隊の方は、生産コストが、３３００＋９００＋２７００＝６９００　ということでアッザムの生産コスト７０００とほぼ同等です。今回の評価では従来の条件と変えて、より実戦に近い判定を行ないます。まず、このモデル中隊にも格闘武器や第２射撃武器の使用を許可（笑）することにします（既にアッザムにアッザムリーダーを使わせていますからね）。但し敵連邦ＭＳの格闘武器や第２射撃武器は、アッザムとＭＳの強さを比較するためにはほとんど影響がないことから、計算にいれません。更に従来の計算と根本的に変えて、より実戦的な数値を見るため、敵からの被ダメージ計算のみ前衛、中衛、後衛個々に計算を行ないます。その他の前提条件は省略しますが、原則的に従来と同様です。但し当然シーマ様の指揮官効果は計算に入れています。

おそるべしシーマ様。平均２．２７倍、というかなり凶悪な数字が出ています。しかしながら、アッザムに乗せた場合（３．７１倍）ほどの上昇率ではありません。この差は、大型ＭＡとＭＳスタックをともに「１スタック」という単位で考えた場合、大型ＭＡはそのスタックを構成する全機（つまり1機）にパイロットの能力が適用されるのに対し、ＭＳ中隊は、パイロットの強力な能力が適用されるのは、そのスタックの内の指揮官機1機のみであり、スタックを構成する他の機体には、指揮官効果が適用されるのみだからです。指揮官能力（指揮、魅力）とパイロット能力（耐久、格闘、射撃、反応）が命中率や回避率等に適用される際の補正率の関係で、指揮官能力とパイロット能力が同じような値であれば、指揮官能力による影響はパイロット能力による影響に比べ小さいのです。一般的に、よほど指揮官能力がパイロット能力を凌いでいるキャラクターでない限り、パイロット配属の効果はＭＳに配属した場合よりもＭＡに配属した方が利いてくる、ということです。アッザムとＭＳ指揮官の場合はアッザムに最も重要なのは「射撃」能力、ＭＳ指揮官に最も重要なのは「指揮」能力ですので、両者を比べ、「指揮」が「射撃」の１．５〜２倍くらいの数値を持っているキャラクターであってやっと「アッザムに配属するより、ＭＳに配属する方が戦力向上に役立つ」という感じになります。とはいえ、シーマ様級の指揮官能力とパイロット能力の双方に秀でたパイロットが配属されると、ＭＳ中隊にも凶悪な性能向上があることが分かります。

本筋とは関係ない独り言ですが、まさか、シーマ様お一人いるだけで、スタックの性能が２倍に上がるとは・・・結構意表を突かれました。オソルベシ、エースパイロット。

「４．頭上の悪魔」にて、「エース付きアッザムは化け物だ！」という結論を出しましたが、アッザムほどではないにせよ、ＭＳもエースパイロットが配属されれば、相当な性能向上があるわけです。先ほどのシーマ様付きモデル中隊と、シーマ様搭乗アッザムを性能比較してみます。シーマ様付きモデル中隊は「真　火力・生残性評価」ではほぼ同等の評価であるグフＡとグフＢの組み合わせですので、グフＡのみ、またはグフＢのみのスタックとたいして変わらないような気がしますが、格闘と生残性の高いグフＢを前衛にして、最も脆弱なグフＡ小隊を後衛とする最適化効果はそれなりに利いてくるはずです。実際のゲーム上でもこの程度の工夫は行なっているはずですから、これで格闘等も計算に入れ、前衛・中衛・後衛別にダメージ計算を行う「実戦ルール」判定を行えば、限りなく実戦に近い比較になるはずです。

もともとパイロットなしでもアッザムを下回る性能のグフを束ねたのですから、当然と言えば当然ですが、格闘武器や第２射撃武器（ほとんど利かないクラッカーですが）を加えたところで、やはりアッザムには勝てません。しかし、グフＡとグフＢを最適化して組み合わせた効果により、エースパイロットを配属した場合の効果がＭＡより低いはずのＭＳ部隊にも関わらず、パイロットなしの場合での性能比較に比べ、特段大きくアッザムとの差が開いているわけではありません。しかもこのモデル中隊はアッザムが最も苦手とするジムＳＰＣに対してはアッザムより優秀なコストパフォーマンスを、ジムＳＰ２に対しては互角のコストパフォーマンスを示しています。結果の数値だけでは良く分かりませんが、実はこれは、前衛、中衛、後衛別に被ダメージを計算しているため、強力なスナイパー系の攻撃に余剰（前衛や中衛が全滅するだけの火力を注いでなお余りが出ている）が生じ、結果的に生残性がダメージの割に高く見える、というスタック可能なＭＳならではのメリットが入っているという点もあります。パイロット効果の大きいＭＡですが、実戦的にはスタック内の組み合わせの工夫が可能なＭＳに比べ、同じパイロット配属条件下でもそれほど優位が大きいとは言えないことが分かります。

とは言え、パイロットが配属されたアッザムはパイロットなしの場合と同様に、グフ級を超える性能を持つのは間違いないところ。他のＭＳについても、シーマ様搭乗機（中衛）を含む７機構成中隊を組ませて、実戦ルールにて「真　火力・生残性評価」を行ってみます。

アッザムはエースパイロットが搭乗した場合、相手ＭＳによる相性がよりはっきり出るため、どのＭＳに同等の性能なのか、一概に言い難くなっています。ここではこれ以上の数値を示しませんが、敵ＭＳ９機を相手とするきつい条件でも、「１スタックに１エースパイロット」を配属した場合では、アッザムの性能は「総合性能はドワッジを凌ぐ、但しスナイパー系が相手だとグフ級程度」とおおざっぱには言えると思われます。パイロットなしのケースでは、敵ＭＳ９機を相手とした場合、「ドワッジに迫る」という程度だったのに対し、エースパイロットが配属されたケースでは、ＭＳ以上にパイロット能力が発揮できるため、やはり性能向上がそれなりに大きくなっているということです。

これまでのアッザムについての検証を、地上用ＭＳと比較する形で以下にまとます。